過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/01/26(木) 23:32:26.38 ID:xQwpJrUv0
「……。そろそろ、覚悟は良いな?」
「ふん。ようやく良い眼になってきたな」
「死んでも僕を恨むなよ、裏切り者」
「先に言うなよ、強者」
臨戦態勢、とでも表現すべきか。ステイルは今度こそ目の前の邪魔者を狩るために小言で呪を紡ぎ、土御門は腰を少し低くして格闘家のような構えを取る。
今度は右の掌から小さな火を生み出し、ステイル=マグヌスは正面を睨み付ける。今度こそ、確実に土御門元春という人間を殺すために。
PurisazNaupizGebo
「巨人に苦痛の贈り物を」
再び、彼の手の内に炎の剣が現出する。ジリジリと建物の塗装を炙りながら、ステイル=マグヌスは灼熱の炎を右手で掴み、いつでも相手を焦がす体勢を整える。
これが、本物の魔術師。本物は、初撃から一切の躊躇いを見せない。本物は、倒すべき敵に人間的な感情を持ち得ない。今のステイル=マグヌスがまさにそうだ。
摂氏3000度の業火を自在に振るえる彼の姿を見れば、いくら超能力開発の街である学園都市の学生たちでさえも恐れをなして逃げ出してしまうだろう。
一方の土御門元春といえば、目の前に広がる直線状の火の塊に対して、特に何もしない。呪を唱えるでも術の準備をするでもなく、彼はまったく動かない。
ただ相手に自分が戦闘態勢であることを見せつけるように、腰を少し落としながら左足を前に、重心を若干後ろに寄せて右の拳を軽く握りしめている。
彼ら2人の行動を見れば、少なくとも異能の分野に関してはプロ対素人の構図に見えるだろう。土御門の5mほど後ろで横になっている少女もそう思っていた。
だが、覚醒したインデックスの耳に飛び込んできたのは、本物の魔術師しか持っていない名前だった。
「オレはFallere825。―――地獄に行っても忘れるなよ。土御門元春の『敵』、ステイル=マグヌス」
「ほざけっ!」
人肉が溶けるほどの炎の刀剣を携えた魔術師は、炎剣を振りかぶって一気に間合いを詰めてくる。横薙ぎに炎を振るって土御門元春の命を絶つために。
しかし、魔術を知り尽くしていると言っても不足の無いインデックスという人間から見ても、土御門は一切の魔力を使っていないことは確定的だった。
あの異能の剣に対抗するのであれば、異能を使うしかないというのに。これではあの土御門元春と名乗る男はただ死を待つだけの愚か者としか思えない。
そういえば、彼は言っていた。自分は無能力者であると。つまり、学園都市からすれば自分は無能でしかないのだと。しかし、超能力の才能と魔術は―――
(――――能力者…!?)
そうだ。あの少年は能力者なのだ。だとすれば、彼が一切の魔力を封じて戦うのも伺える。能力開発とやらを受けてから魔術を使うなんてこと、しなくて当然だ。
元々、魔術という技術は『才能の無い』一般人が、『才能のある』能力者にそれでも同じことがしたくて生み出された代物なのだという事情と歴史がある。
要するに、生まれ持った才能、ここでは『超能力』を持った者(例えば上条当麻)や才能を少しでも植え付けられた者(例えば土御門元春)は魔術を使えないのだ。
なぜなら、回路が違うから。その違った回路で能力者が無理矢理に魔術を使えば、全身の血管が破裂し、神経にも多大な負担がかかり、死に至る…と言われている。
だから、彼は魔術を使わない。使えばその先には死しか待っていないから。土御門もステイルという男も、そのことを理解しながら戦闘をしているのだろう。
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