過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
↓
1-
覧
板
20
130
:
◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/01/26(木) 23:34:00.56 ID:xQwpJrUv0
では、なぜ彼は自分のために戦うのか―――という問いの解はもう見つかりそうもないので、思考を放棄する。何にせよ、出血で身体がほとんど動かないのだ。
今は、身を任せるしかない。あの黒ずくめの魔術師に攫われようが、あの不思議な金髪サングラスの少年に助けられようが、少女にはもうどうすることも出来ない。
となれば、私は祈ろう。願わくば、あの少年が傷つかすにこの街でこれからも生きていけるような未来を。
で、その土御門少年といえば、真剣な表情から一転、再び口元を緩めると、マンションの壁に向かって軽くスナップを効かせるようにして右手を叩き付けた。
次の瞬間、けたたましいベルの音が、人の気配をあまり感じないマンションの全室に鳴り響いた。不意の外部からの邪魔立てに、ステイルは思わず足を止める。
すると、今度は通路に向かって上から放水が始まった。どうやら天井に設置してあるスプリンクラーを作動させたらしい。どう見ても土御門の仕業だろう。
目的はおそらく単純明快。火に対する水という、あまりに原始的な方法だろう。しかし、
「…ふは、ハハハハッ! 何を考えてるんだい君は!? この程度の水じゃ、僕の炎は消えないよ!」
ステイル=マグヌスという名の魔術師は、勝ち誇ったように高笑いする。確かに、実際にその魔術師が持っている炎剣には何の変化もない。水をかぶりながらも、だ。
そう、水は関係ないのだ。この炎は、異能で作られたモノなのだから。場に刻んだルーンを元に形成された炎は、ただの水では消火することなど不可能なのだ。
だから、ステイルは笑う。あの有能な魔術師も、能力者になってはこの程度かと。それに能力者としても優秀でないらしい彼は、本当に弱い存在になったのだと。
しかし、何も笑っているのはステイル=マグヌスだけではない。
「フッ。貴様こそ、この程度の炎でこのオレをどうこう出来ると思うなよ」
「…聞き捨てならないね」
「そうか。ならもうひとつ聞き捨てならないことでも言ってやろうか」
「ん?」
「貴様に会ってすぐ、オレは『馬鹿が』って言っただろう? ……あれは貴様に向けて言ったんだよ、ステイル=マグヌス」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
219Res/247.71 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1323270319/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice