過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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142: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2012/02/14(火) 04:10:05.18 ID:bswlQR1P0
勿論、彼自身そんなことをしたい訳ではない。おそらく世界広しとはいえ、ステイル=マグヌスほどあの少女のことを思っている人間はいないだろう。
しかし、彼は知らない。自身の行動は、インデックスを一時的に救済する処置ではなく、彼女を教会に閉じ込めておくための儀式でしかないことを。
確かに、ステイルが例の術式を使えば、少女は一年ほど安全に生きていける。教会から施された秘密の術式の圧迫から、一時的に解放されるのだから。
それはあくまで教会にとって、あの女狐にとってのメリットだ。別にインデックスという少女自身の生命の心配をしているのではないのだ。
だから、ステイル=マグヌスは利用される。彼の良心に付け込んで、あの女はインデックス、いや禁書目録を管理・調整するために、彼を利用する。
すべてはイギリス清教のため。だから、強力かつ危険な女の子に『首輪』を括りつけた。裏事情に詳しい土御門はそこまでちゃんと理解していた。


しかし、それでいいのか? イギリスのためだと、世界のためだと言ってあの女の子を見捨ててもいいのか?



(違う)



目の前の『敵』を見下ろしながら、土御門は拳を強く握りしめる。確かに土御門元春は、イギリス清教『必要悪の教会』所属の魔術師ではある。
しかも彼は、倒れている少年たちとは違い、なまじ事情を把握しているため、インデックスが禁書目録としてどうあるべきかもよく理解している。
本来ならば、彼はステイルたちの行動を手伝うべき立場だ。禁書目録のためならば、土御門は下手に動かず自分の任を全うすべき立場にあった。
だが、そんなくだらない理由で、あのシスターを見捨てることは――――この機会を逃すことは、出来なかった。

実際、彼はこの件に手を出すべきではなかった。彼の仕事はあくまでスパイであるし、味方であるはずの人間の邪魔をするなどあってはならない。
またもしかすると、彼の願う、彼が望む『世界のバランス』にとって、今回の行動は悪影響しかないのかもしれない。それでも、


(目の前の女の子ひとり救えないような人間が、世界をどうこうなんて出来る訳が無い、よな)


裏切ることならもう慣れている。土御門元春という刃は、元々背中を刺すための凶器なのだから。



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