過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/03/12(月) 21:20:20.40 ID:wyrSFD9O0
「えっとぉ……?」
「…さて、ではお願いしますぜ。『禁書目録』さん」
和室に残されたのは、すべての状況が理解できずに呆然としているピンク色の女の子と、瀕死寸前の彼だけ。
そう、これで十分だ。あの不確定要素をこの空間から追い出し、自分と患者、そして補助者の3人がいる。
さらに、部屋の中を見回してみると、魔術を使うのに必要そうなモノや条件が揃っているのも分かった。
これだけあれば大丈夫。私の頭の中にある一〇万三〇〇〇冊で彼の命を救うことが出来る。絶対に。
「わかってるよ。まずは傷の状態の確認だけど…」
「頼むぜい…」
顔を真っ青にして不安がっている女の子の隣り、土御門の脇腹の傍に腰を下ろすインデックス。
一時的な血止めとして利用していたYシャツは既に赤で濡れ、もうその役目を果たしてはいなかった。
その湿った布に、インデックスは手をかける。そして、心の中で彼に謝罪しながらも結び目を解く。
「ひぃっ!?」
隣りの小さな先生が悲鳴を上げるのも無理はない。インデックス自身、声を上げないので精一杯だった。
醜いその脇腹の傷口は、ひどい有り様だった。人肉がここまで綺麗に切れているのもあまり見ない。
赤黒い血液の中に、ピンク色や黄色いモノが見えた。おそらく筋肉や脂肪だ。骨が見当たらないだけマシか。
インデックスは赤い布を捨て、傷口を彼自身が着ている緑色のアロハシャツを使って隠すことにした。
そのシャツも、赤い体液で所々染色された結果、緑と黒が入れ混じったデザインになってしまっている。
この衣服一つ見ても、彼が命を落とすか落とさないかのギリギリのラインにいることが簡単に分かる。
だから、少女は急ぐ。一般人らしく、ずっと顔面蒼白で彼の様子を見ているこの女の子の手を借りて。
(必ず、助ける)
そう自らに誓いを立てるように、インデックスは土御門という魔術師の身体に手を置く。
世界の法則を破ってまで自分を守ってくれたこの肉体を、精神を、その魂を絶対に救い出すために。
彼女は目を固く瞑り、意識を脳へ集中させる。そして、その知識をフルに活用しようとしたところで、
変化が、訪れた。
「――――出血に伴い、彼の血液中にある生命力が流出しつつあります」
彼女が意識を手放すと同時に、もう一人の彼女が目覚める。
本来なら、インデックスという少女の命のみを救うはずの彼女が。何より自己の生命維持を優先するはずの彼女が。
覚醒、した。
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