過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/03/12(月) 21:21:45.35 ID:wyrSFD9O0
「ま、マジュツ???」
「はい」
「えっ。それってあれですか? 呪文を唱えればHP全回復ー!、…という」
「言っている意味は理解しかねますが、ほぼその理解で構いません」
「は、はぁ〜」
とか適当に相槌を打ってはいるが、実際のところ『魔術』と言われても小萌はその存在をすぐに肯定することは出来なかった。
彼女自身、この学園都市という科学都市で、人間の科学技術の賜物である超能力というモノをを開発している張本人でもある。
その彼女が、突然家に上がりこんできた怪しいシスターのオカルト発言など、信用に値すると思うはずが無かった。
しかし月詠小萌には、その魔術を即座に否定するようなことが出来ない。それこそ、『外』のオカルトを否定することが。
(何というか……さっきと別人だからこそ説得力があるですよねー。冷静さの中に揺らぎがあるから、逆に分かり易いというか)
小萌は(これも信用できるか不明だが)自分の生徒があと15分で絶命すると告げられた割には、案外落ち着きを払っていた。
土御門を挟んで目の前にいるシスターさんがそれこそ機械のように冷静なら逆効果だろうが、そうではないから落ち着ける。
それは銀髪の少女の言動に恐怖を覚えることが無くなり、むしろ土御門元春を助けようとする意志を強く感じるからだ。
だから、何故か納得できる。魔術を理解できなくても、彼を治せるということだけは分かる。頭ではないどこかで。
それから、小萌先生は先ほど言われた通りに二三質問を受けた。現時刻とか日付とか、その情報は本当に正しいのかとか。
彼女はその質問にはっきりと答えた。何の意図があるのかは未だに不明だが、やはりある種の説得力のある言葉だった。
その後彼女は、土御門の血を使ってちゃぶ台に円と五芒星とよく分からない記号群を書いたり、変な言葉を呟いたりした。
聞き取れる範囲では、確か蟹座とか西方とかウンディーネとか天使の役はヘルワイムとか言っていた気がする。
「ここから先は、あなたの手を借りて、あなたの体を借ります。指示の通りにしてくだされば……彼の命は、助かります」
「えと、そのぉ……はい」
「ありがとうございます」
クスリともせずにそう告げられるのは何だか変な気分だが、ここまでくればそんなこと気にする必要もないと分かる。
後は、この自分の中に湧き上がってきた感情に従い、彼女の言葉や指示を聞いて動けば大丈夫……な気がする。
シスターは、次に部屋の中にある様々なモノをちゃぶ台の上、しかも彼女が言う正しい位置に置くように言ってきた。
小萌先生はそれに従い、メモリーカードやシャーペンの芯ケース、チョコの空き箱、それに文庫本を二冊用意した。
ガラスのビーズをパラパラとばら撒き、最後にカエルのフィギュアを三つ、一つを横に寝かせた状態にすれば完成。
ちゃぶ台の上に出来上がったのは、まるで今自分たちがいるこの部屋をミニチュアにしたようなフィールドだった。
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