過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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185: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2012/03/12(月) 21:35:59.25 ID:wyrSFD9O0

「もとはる」

「んー?」

「本当にだいじょうぶ?」

「うん? 何で?」

「だって、何だかつらそうな顔してるもん」

「そうか?」

「そうだよ」


と、色々と深く考えているうちにゴチャゴチャしたのが顔に出てしまったようだ。慌てて表情を元に戻すが、もう遅い。
インデックスはオレのことを、物凄く心配そうな顔で見ていた。もう交通事故にあった恋人を見舞いに来ているみたいだ。


「心配するな。大したことじゃないよ」

「そう?」

「ああ、そうさ」

「…でもね、私知ってるんだよ」

「知ってるって、何をだ?」


今度は俯き始めてしまったので、逆に土御門の方が心配になってきた。オレは身を乗り出して彼女に真意を尋ねてみる。


「…本当はね。こんなことしたって痛みは消えないんだよね。撫でれば苦痛が無くなるなんて、変だもん」

「……」

「私ね、もとはる。世界中いろんなところに行ってるんだ。そこで、いろんな本読んで、いろんな魔術を知って…」

「…ああ」

「そこにはね、回復の魔術もたくさんあるんだ」

「そうだな。回復の魔術なんてのは結構メジャーだ」

「うん…。だから、私にはわかっちゃうんだよ。人を癒すのって、とっても大変だってことが。それこそ、魔術を使わなきゃいけないくらい」

「…確かにな」


魔道書を万単位で読んでいる彼女らしい言い方だった。そう考えると、人を癒すのは本当に大変なことだとよく分かる。
魔術とは、才能の無い人間が開発した技術。凡才が、それでも天才に追いつきたいと願い、作り上げた奇跡。
それ故に、魔術によって為される事柄には、常に苦難と無理がセットで付いてくる。それを、可能にするのが魔術なのだから。



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