332:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/25(日) 20:44:43.97 ID:GEEMDRZko
そんでもって次の日。
「播磨くん♪」
授業が終わると、さっそく声をかけてくる女子生徒が一人。
(ゆ、唯ちゃん!?)
平沢唯である。
「ど、どうした平沢」播磨は努めて冷静に対応してみせる。
「実は、私もおにぎり作ってきたんだけど、播磨くん食べる?」
(マジかあああああ!!!! なんてこったあああああ!!!)
播磨は心の中で狂喜乱舞する。
「いいのか」
しかし、表向きは冷静である。
「うん」
平沢唯が作ったとされるそのおにぎりは、
「四角……」
まるで豆腐のように四角かった。
昨日食べた、澪のおにぎりのように三角ではないけれど、ごはんだから大丈夫だろう。
そう思い播磨は一口食べる。
「ま……」
「どう? 播磨くん」
唯は目をキラキラさせながら聞いてくる。
(まずうううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!)
播磨は心の中でのた打ち回る。
(不味い不味い不味い不味い不味い不味い)
心の中で、不味いという言葉がゲシュタルト崩壊しそうなほどの不味さだ。
(不味いってレベルじゃねェぞ!!! なんだこの不味さは! どうやったらおにぎりをこんなに
不味く作れるんだ!?)
しかし、期待を込めて見つめてくる(可愛い)唯を前に、「マズイ」などと到底言えるはずがなかった。
「う……、うまいぞ、平沢」
なんとか飲み込んだ播磨は、辛うじてそう言う。
「えへ、たくさん作ったからどんどん食べてね、播磨くん」
「お、おう……」
この日、播磨は天国と地獄を同時に味わった。
つづく
702Res/519.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。