43: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/12(月) 20:39:22.91 ID:hgPiPApso
播磨は女子中学生失踪事件に関する記事を調べるのをやめて、今度は二月に起こった集団自殺について
調べることにする。
一見すると平和そうなこの街で、かなりの死者が出ていることに彼は内心驚いていた。
今年2月7日。建設中のビルの最上階から飛び降りたと見られる五人の遺体が発見される。
五人の身元は全て判明するも、自殺者同士のつながりは不明。
警察では、インターネット上で知り合った者同士が一緒に自殺する、自殺サイトが原因ではないかとみていたが、
その後の調べで彼らが携帯やパソコンを使って自殺サイト、もしくはそれに近いサイトにアクセスした履歴はほとんど
残っていない。
しかも、自殺者の中の最年長の男性は、インターネットはおろか、携帯電話すら持っていなかったという。
こちらの事件は、未だ捜査中とのこと。
ただ、殺人事件と違って被疑者が特定されにくいため、捜査継続は難しいかもしれない、と言われている。
「……くそ、わからん」
女子中学生失踪事件も集団自殺事件も、どちらも真相がはっきりしていないということでは共通している。
しかもこの街は、神隠し伝説などがあるわりと神秘的な地域だ。
だとすれば、オカルト系の噂が広まるのも無理はないだろう。
そこまで考えた播磨は、久しぶりにじっくり新聞をよんだことを思い出して少し頭が痛くなってきた。
「お、いかん」
図書室の時計を見て、播磨は今日がアルバイトの日であることを思い出す。
(どうも頭を働かせるのは苦手だぜ……)
そう思い、彼は新聞を片付けてから学校を出た。
*
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