506: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/04(水) 20:06:15.57 ID:AxuxTz+Ao
暗い闇の中で誰かが播磨に語りかける。
(誰だ?)
播磨は聞く。
「世話になったな、少しの間だったけど」
(この声は、佐倉杏子か?)
「アタシも長く魔法少女やって、正直疲れたよ」
(そうか)
「色々なところを見て回ったけど、やっぱ消えるんだったら、故郷がいいかなって思ったのさ」
(……)
「アタシは間違いなく地獄行きだね。色々悪いこともやってきたし。
でも、ウチの親父も多分地獄に行ってると思うから、そこで再会できるかもしれねえ。
宗教やってて、人から鬱陶しがられて、誰にも相手にされなくなった哀れな糞野郎だから、
アタシが面倒見てやらなきゃ、多分誰も見ねえだろうしさ」
(……)
「じゃあな、ハリマ。鹿目まどかって言ったっけ、あのちっこいの。大事にしろよ」
(……お前ェ)
「はっ!」
顔に冷たいものがかかった。
目を開けると、雨粒が降ってくるのが見える。
「ここは……」
周りを見回すと、そこはさっきまどかと一緒に来た公園である、というのがわかった。
播磨は自分がどれくらいの間倒れていたのかわからない。
ただ、彼が気が付いた時には佐倉杏子の姿はなく、公園内の広場の真ん中で、
美樹さやかの遺体を前に泣き崩れる鹿目まどかがいるだけであった。
つづく
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