過去ログ - 魔法少女とハリマ☆ハリオ
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523: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/06(金) 19:46:17.36 ID:9e1wVLifo

 播磨は、この壱原侑子という女性との距離の取り方に悩む。

「見滝原の怪事件の発端。仮に“魔法少女システム”とでも呼びましょうか」

「魔法少女システム……」

 随分違和感のある言葉だが、侑子の口から聞くとやけにしっくりくるものがある。 

「この“仕組み”を壊せば、少なくともあなたが言う、悲劇はなくなるはずよ」

「悲劇が、無くなる?」

 願いを叶えて以降は、希望が一切なくなる魔法少女というシステムが消える。

 それは確かに悲劇が無くなると言っていいのかもしれない。

「そう。なんでも願いをかなえるということは、そこで因果律の歪みが起きているの。
その歪みを矯正し、元に戻し、見滝原を他の地域と同じような場所にする」

「因果律ってなんだ? よくわかんねェんだが」

「簡単なことよ」

 そう言って侑子はどこから出したのか、ビー玉を手に持っていた。

「私がこのビー玉を手放すと、どうなると思う?」

「下に落ちて、転がる」

「正解」

 侑子はビー玉から手を放す。

 するとビー玉は畳の上に落ちて、コロコロと転がって行った。

「これが因果律。原因があって結果がある。無重力でもない限り、ビー玉は下に落ちて転がるわ」

「それがどうだっていうんだ?」

「その魔法少女システムというものは、そんな因果を歪めるものなの。例えばこんな風に」

 侑子は再びビー玉を手にした。

「よく見てちょうだい」

 彼女はゆっくりと、ビー玉を持った指を放す。


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