596: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/15(日) 19:52:29.18 ID:EP0D5twCo
驚いた彼女はバランスを崩し、その場に尻餅をついてしまう。
(どうしよう)
早く逃げたいのに立ち上がれない。
恐怖のあまり、ほむらは頭を抱えその場にうずくまってしまった。
(助けて! 誰か!)
声にならない声を発する。
本当にもう、おしまいかもしれない。
(誰か――!)
「おい」
不意に視界が開ける。
誰かが彼女の肩を触った。
顔を上げると、そこには大柄な男性が覗きこんでいる。
サングラスにヒゲ、それに長めの髪の毛をカチューシャでおさえている男性。
普段なら絶対に驚いて声をあげてしまうような、いわゆる“怖い大人”だったのだが、
その時のほむらにとっては、まるで神様か仏様のように見えた。
「大丈夫か」
ゴツイ見た目とは裏腹に、優しげな声で話しかける男性。
何か返事しなければ、と思ったのだが嬉しさと驚きと恐怖で胸が詰まり声が出ない。
「おい」
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