過去ログ - 魔法少女とハリマ☆ハリオ
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598: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/15(日) 19:53:42.75 ID:EP0D5twCo

 ほむらの身がふわりと浮きあがる。

「へ? 何を」

「すぐ近くのベンチまで移動する。大人しくしてろ」

 男性が、彼女のカバンと彼女自身を抱え上げたのだ。

 ほむらは恥ずかしさのあまり、声が出なくなってしまう。

 でもそれは、決して悪い気持ちではなかった。

(これが男の人の匂い……)

 彼女にとっては、父親以外で初めて感じる男の匂いだった。



   *



 近くの公園まで抱きかかえられて連れて行かれたほむらは、そこのベンチに座らされた。

「ここでいいな」

「あ、はい」

 ぶっきらぼうな言葉づかいに対して、その態度は優しい。

「ちょっと待ってろ」

 そう言って足早にかけていくサングラスの男性。

 公園のベンチで一人になり、自らの状況を思い出すと急に恥ずかしくなってきた。

(お、お姫様抱っことか、漫画の中だけの話だと思ってたのに……)

 しばらくすると、件の男性が戻ってくる。


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