612: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/16(月) 19:34:05.37 ID:FwuKrF9no
「まどか、まずいよ。何だか嫌な予感がする」
薄暗い立ち入り禁止区域の中をまどかとさやかは歩く。
さやかは、その場所からただならぬ雰囲気を感じ、まどかをとめようとするも、
彼女はずんずんと先に進んでしまうのだ。
「まどか」
グイと、さやかはまどかの肩を掴む。
「さやかちゃん?」
「警備員さんに見つかったら怒られるから、早く戻ろう」
そう言って、まどかを説得するさやか。
本当は、それ以外にも嫌な予感がしてたまらないのだが、それを口に出してしまうと、
もっと怖くなってしまいそうなので、胸の奥にしまっておいた。
「でも、誰かが助けを求めてるんだよ。聞えない?」
「聞えないよ。夢でも見てるんだろう? ほら、行こう」
さやかは、そう言うとまどかの腕を引っ張って元の場所へ戻ろうとした。
しかしその時、
「あれ? こっちでいいんだっけ」
先ほど歩いていた場所と違う、空気が流れる。
「何これ」
変な、アリ塚のようなものが彼女の目の前に現れた。
それと同時に、やけにカラフルな色合いの蛾が飛び出す。それもかなり大きい。
周囲を見ると、そこはもうショッピングセンターのバックヤードなどではなく、
もっと別の世界のようだ。
暗く、気味の悪い色の不気味な世界が広がっている。
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