634: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/17(火) 20:55:57.01 ID:cLE8yXD4o
日が傾きかけている時間、急な坂を播磨は自転車をこいでいた。
「播磨さん、おりましょうか?」
「じっとしてろ」
その日、めずらしく自転車で出かけていた播磨はほむらを後ろに乗せて公園を出発した
のである。
そして、
「ついた。はあ、はあ、はあ……」
息を切らしながらほむらを乗せた彼は坂道を登りきる。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。それより、間に合ったみてェだな」
そう言って、播磨はガードレールの向こう側を眺めた。
「ここは」
「初めてこの街に来たとき、色々と見て回ったんだけどな。たまたまこの場所に来たら、
すげェきれいなもんが見れたからよ」
「あ……」
ほむらの目の前には、見滝原の街が広がり。そしてその奥に今にも沈もうとする太陽の姿。
夕日の色に染められた街。
「きれい」
ほむらは思わずメガネの奥の目を細めてつぶやく。
「ここに来たとき、はじめていいところだなって、思った」
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