663: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/19(木) 20:27:04.41 ID:gZmXTKMLo
駅まで送って行こう、と父親は言ったけれど、ほむらはあの内装が革張りで、
変なニオイのする自動車に乗る気にはならなかった。
だから父の提案を丁重に断る。
父親のほうも、無理に乗せようとは思っていなかったらしく、あっさりと引き下がった。
ほむらは、子供の時から親子というのはこういうドライな関係なのだとずっと思っていた。
テレビに映し出されるホームドラマは嘘だと。
でも、見滝原で見た鹿目まどかの家庭はそうではない。
すごく温かくて、人と人との関わりが密だったと彼女は思う。
「はあ……」
ため息をつきながら、ほむらは歩いた。
なんだか、歩きたい気分だったのだ。
空を見上げると、灰色の雲が広がっている。
「あれ?」
ふと、視線を落とすとそこには見慣れない建物があった。
昔の映画に出てくるような、古い木造の建物。といっても、和風建築ではなく、
妙に洋風な要素も加わっている感じ。
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