過去ログ - 月火「火憐ちゃんも、お兄ちゃんのことどうこう言えないよね」
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1: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 22:40:33.17 ID:myjtRBn70
実に九ヶ月のご無沙汰でした。
もう既に覚えてる方なんておられないかもですが。
はい、偽物語のアニメ化にテンションが上がったせいもあり、前作の続きとか書いてみました。

<前作>
@暦「今更するような話でもないけれど」
ex14.vip2ch.com
A火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
ex14.vip2ch.com

今回ので阿良々木三兄妹全制覇だぜ!
さておき、一点ご注意頂きたいのですが、今回のお話はあくまでも前回の続きということでご理解願います。
なので勿論、撫子は阿良々木さんの可愛いだけの後輩だし、八九寺は今日も元気に街を徘徊してるということで。パラレル万歳。

そう言えば偽物語アニメ化もそうですが、もうすぐ恋物語ですね。
語り部が阿良々木さんじゃないとのことで、雑談成分少なめなんだろうなあというのがちょっとだけ残念だったり。
物語シリーズは阿良々木さん達の仄かにエロスパイスが効いた雑談が一番好きなんですよね。
もちろん楽しみで楽しみで仕方ないのは間違いないですが。

とりあえず年内完成は難しいかもですけど、出来る限りそれを目指して頑張ってきますのでよろしくです。
まあアニメ偽物語を楽しむ前の肩慣らし程度に、軽い気持ちで読んで頂ければ。



2: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 22:44:41.41 ID:myjtRBn70
『かれんハート』



 001.
以下略



3: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 22:50:01.56 ID:myjtRBn70
 ちなみに、あいつとのエピソードでそもそも僕が楽しかったなあとか良かったなあとか、素直にそうとだけ思えるようなエピソードなんてほとんどない。
全く無いと言い切ってしまうのはさすがに憚られるけれど、それでも容易にそんな出来事を思い返すことができない時点で、まあ推して知るべしといったところだろう。
どんな出来事も、思い返せば渋いものがどうしたって混じってしまうのが実情なのだ。
正義を標榜して止まず、他人の為と宣言して止まず、今までも今もこれからも、あいつは無茶をして止まない。
そんなあいつの行動の結果、そんなあいつの為に、どれだけ僕が方々を駆けずり回ってきたことか。
以下略



4: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 22:52:57.34 ID:myjtRBn70
 これから思い返す物語もまた、そんなエピソードの一つに過ぎない。
楽しいだけの話なんかでは断じてなく、どころかいっそ苦しくて悔しくて悲しくて空しくなるような、そんな出来事だ。
一つ語る前に断っておくと、この物語には決して終わりはない。
どころか始まりすらきっとない。あるとすればそれは、僕の誕生とか火憐の誕生とか、あるいはあの子――松木茜の誕生とかに遡ってしまう。

以下略



5: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 22:57:32.13 ID:myjtRBn70
 もっともこれは、あくまでも阿良々木火憐の物語であり、故にこそ阿良々木暦の物語なんかではない。
であれば、只の傍観者でしかないような、どころかむしろ間抜けな闖入者だったのではないかと思ってしまうような、そんな立ち位置だった僕が語っていいことかどうかは分からないけれど。
それでも今、敢えて今、僕が語ることに意味はあると思っている。
少なくとも、僕にとっては間違いなく。

以下略



6: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:00:18.59 ID:myjtRBn70
 002.

 後日談というか、今回のオチというか、そこに至るまでのあれこれ。
翌日、いつものように火憐と月火に起こされる――という語り口は、誠に遺憾ながら使えなくなって久しいのが現状だったりする。
何のことはない、目覚めのタイミングがばらばらになってしまったというだけのことなんだけど。
以下略



7: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:02:25.54 ID:myjtRBn70
 体は起こさず、視線だけを胸元にやってみる。
予想通りと言うべきか、あるいは予定通りと言うべきなのか、小さい方の妹である月火が、僕の胸にその頭を押しつけるようにして眠りこけていた。
そこだけ切り取って見ればどうだろう、可愛い妹にべったり懐かれているという微笑ましい光景になるのかもしれないけれど、しかしそれは残念ながら事実とは異なる。
何しろ目を覚ます原因となった苦痛は、まさにその月火の頭によってもたらされているのだから。
どんな夢を見ているのか、時々ぐりぐりごりごりその額を擦りつけてきていて、正直ちょっと痛いのだ。
以下略



8: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:06:30.99 ID:myjtRBn70
 閑話休題。
とにもかくにも残念極まりないことに、僕がこいつらと一緒に寝るようになって久しい。
その期間は丁度、冒頭で述べたような語り口が使えなくなってからのそれとほぼ一致している。
つまり端的に言うと、僕と一緒に寝るようになってから、こいつらの寝起きははっきりと悪化しているということだ。
もしくは、僕の睡眠環境が悪化しているという風に見ることもできるだろうか。
以下略



9: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:09:34.74 ID:myjtRBn70
 いやでも冷静に考えれば、人間の平熱と言えば36度くらいなわけで、そんな熱源とぴったりくっついて布団にこもっていれば、それは冬だって結構厳しいのではないかと思うのだ。
かてて加えて現在のこの気温の高さである。
普通の人間ならば、やはり暑さに耐えかねるのが自然なあり方だろう。

 うーん、だとすると例えば戦場ヶ原と同衾するような事があっても、こんな風に暑苦しさと不快感に見舞われることになるのか?
以下略



10: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:14:02.25 ID:myjtRBn70
 何がスイッチになったのかは分からないけれど、もそもそと動く気配がすると同時に、火憐の声が聞こえてきた。
どこか間延びした響きがあるのは、寝惚け半分だからだろうか。
それはさておき、僕の思考を読み取って起きるんじゃない。野生動物か、お前は。

「野生の感覚っつーか、あれだ、女の直感って奴だぜ」
以下略



11: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:18:21.65 ID:myjtRBn70
 言うが早いか、その場で足を上げ、くるっと後方に回転して立ち上がる火憐。
いやしかし、とても寝起きとは思えない鋭敏な動作だ、いつものことながら。
何ていうか本当に野性味を感じさせるよなあ、こいつ、寝起きでもすぐに体を動かせるって。
頭の方が活動できていない辺りは残念極まりないけど。

以下略



12: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:23:49.31 ID:myjtRBn70
 自分を基準に物事考えるんじゃないと言うんだ。
何でわざわざ妹を抱きしめて暑さに耐えながら眠らなきゃならないのか。
というか寝れやしねえよ、そんなの。
社会的な観点から考えれば、むしろ永眠させられかねないけれど。

以下略



13: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:28:30.95 ID:myjtRBn70
「だけどさあ、ほら見てみろよ兄ちゃん、月火ちゃんのこの顔。緩んでるよ。緩みきっちゃってるよ。たれぱんだも土下座して謝るレベルだぜ、これ」
「たれぱんだに土下座されても分かんねえよ。区別つかないだろ、普段と」
「心眼開けば余裕さ」
「まず心眼開くのが余裕じゃねえよ。つーか心眼開いてまでたれぱんだなんぞ見たかねえよ。もうブームも去って久しいだろ、あんなの」
「バカ兄貴!」
以下略



14: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:33:25.54 ID:myjtRBn70
「たれぱんだを馬鹿にするんじゃねえ! みんな一生懸命やってんだぞ!」
「何でお前がたれぱんだの立ち位置で文句言ってんだよ。どうでもいいだろ、そんなこと。向こうも商売なんだし」
「どうでもいいって何だ! 言っていいことと言わなきゃ駄目なことがあるぞ!」
「結局全部言っていいんじゃねえか」
「あれ?」
以下略



15: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:36:41.47 ID:myjtRBn70
「しかし月火ちゃん起きないな、こんだけ騒いでんのに」
「うん、ちょっと珍しいよな、元々寝つきはいい方だけどさ」
「そうだな。とりあえず僕的には大人しく寝ててくれてるから、その点は助かるけどな」
「あー、昨日は酷かったもんな。兄ちゃんの悲鳴で目を覚まして何事かと思ったら、月火ちゃんと兄ちゃんがこんがらがってたしさ。ちょっと衝撃的だったぜ」
「あれは痛かった。滅茶苦茶な絡まり方してるように見えて、その実すげえ的確に腕とか足とかの関節極められてたし」
以下略



16: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:40:44.93 ID:myjtRBn70
 いいのかよ、と突っ込みを入れたかったけど、それは色々と致命的なので止めておく。
突っ込みを入れるまでもなく、既に致命というか絶命って感じがしないでもないけど。
その辺は寝起きという点を考慮して、大目に見てもらえれば喜ばしい。

「とにかくそろそろ月火ちゃんを起こしてやろうぜ。時間的にもいい頃合いだろ」
以下略



17:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/18(日) 23:46:18.98 ID:lp4sEbUCo
前作読んでから読むはwwwwwwwwだれかまとめブログの記事貼れよ


18:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/18(日) 23:47:01.08 ID:lp4sEbUCo
vipと間違えた
ごめんなさい


19: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:47:27.24 ID:myjtRBn70
 何か肩の辺りがべっとりしてる日があると思ったら!
寝汗にしては酷いなとは思っていたけど、いや夏の暑さも吹っ飛ぶような、まさしく戦慄の出来事だ。
関節技くらってたことなんて生温く感じるわ。

「いいじゃん別に、甘噛みくらい。本気噛みなら文句言うのも分かるけどさ」
以下略



20: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:55:48.39 ID:myjtRBn70
「念の為に聞いとくけど、逆に僕がお前達の体のどっかに噛みついたりとかしたことなんてないよな?」
「多分ねーよ。兄ちゃんからアクション起こす時の目標って、大抵おっぱいだけだし。精々揉まれるくらいだぜ」
「じゃあ大丈夫だな」

 何か色々大丈夫じゃない気もするけど、その辺は深く考えたら終わりだと思うので置いておく。
以下略



21: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/12/18(日) 23:59:25.48 ID:myjtRBn70
「ときに火憐ちゃんは、何かときめきを感じる骨とかあるか?」
「何馬鹿なこと言ってんだよ兄ちゃん、犬じゃあるまいし」
「あー、まあ普通はそうだよな」
「あたしは断然筋肉さ」
「同レベルじゃねーか」
以下略



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