過去ログ - 結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
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1:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]
2011/12/21(水) 22:13:12.54 ID:EN9JwbNT0
VIPより
engawa.2ch.net
何度も落としてすみません
完結させたいので、こちらに移動します
短い間になるとは思いますがよければお付き合い下さい
2: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:14:08.74 ID:EN9JwbNT0
いつもの放課後。
京子が先生に呼び出しを食らい、廊下で掃除をしているあかりともすれ違ったから
部室にはちなつちゃんしかいないはずだ。
急ぐ理由なんて無いけど、この季節、廊下はひどく冷えていて、
3: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:15:11.81 ID:EN9JwbNT0
◆
結衣「……」
バクバクと鳴っている心臓を落ち着けようと、私は大きく深呼吸した。
思わず戻ってきてしまった教室には誰もいない。
4: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:15:44.95 ID:EN9JwbNT0
京子「よし、そんじゃ行くか!」
けれどそんな様子は微塵も見せずに京子はそう言って私に寄って来た。
ちょっと待ってと言う暇もなく、京子が私の背を押して教室を出ようとする。
5: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:16:22.44 ID:EN9JwbNT0
京子「おーい」
結衣「ごめん、今日は」
そう言い掛けたとき、京子が「どうした?」と首を傾げた。
6: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:38:58.78 ID:EN9JwbNT0
京子「よ」
けれど、ここまで来てなお京子がドアに手をかけようとしたのをつい止めて
しまっていた。
7: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:39:55.71 ID:EN9JwbNT0
―――――
―――――
その日はそれ以上なにも変わったことなんてなくって、いつものとおりの部活
(というかただの遊び)が始まって。ちなつちゃんも変わった様子はなく、けれど
8: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:43:44.93 ID:EN9JwbNT0
ぼんやりそんな声を聞きつつ、ぬるいお茶に口をつける。
今日は少し、いつもより苦い気がした。
それでもごくんとそれを身体に流し込むと、私はコップ越しにまた、ちなつちゃんの
横顔をじっと見詰めて。
9: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:46:31.34 ID:EN9JwbNT0
――――― ――
帰り道。
後ろを歩く一年生組を気にしながら、私はこそっと京子に話しかけた。
10: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:48:42.66 ID:EN9JwbNT0
私はこの期に及んでも、京子に本当のことを言えなかった。
京子は「なんだよー」と突いてくるけれど、それ以上なにかを聞いて来ようとは
しなかった。無理矢理聞いてくるような奴じゃなくて良かったとこういうときになって
思う。
11: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:49:22.60 ID:EN9JwbNT0
―――――
―――――
結衣「……んー」
12: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:49:50.06 ID:EN9JwbNT0
◆
翌日の放課後、まるで図ったかのように部室にはちなつちゃんしかいなかった。
ドアを開きかけて思わず止めてしまったのは、またちなつちゃんの後姿が
見えたから。
13: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:51:47.90 ID:EN9JwbNT0
それならちなつちゃんが元気ないとすれば、どんなことをしてあげるのが一番かな。
あかり『……えーっとね』
きょとんとしながらもあかりは、「なんでも」と答えた。
14: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:52:20.67 ID:EN9JwbNT0
ちなつ「……えへへ、結衣先輩」
びくっとした。
突然名前を呼ばれて、ちなつちゃんが起きてるのかと思ったけれど、
覗き込んだ横顔はちゃんと眠っている。
15: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:53:19.47 ID:EN9JwbNT0
結衣「……もふもふ」
ちなつちゃんの柔らかい髪に埋もれる、そっと伸ばした手。
あたたかいし、気持ちいい。
ちなつちゃんの温かさだな、なんて柄にもないことを思って赤面したくなる。
16: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:55:00.23 ID:EN9JwbNT0
なに考えてんだろ、自分。
ぼんやりそう思った。
いつのまにか、ちなつちゃんの寝顔を見詰めていると自分まで眠くなってきてしまい、
うとうとと頭が傾き始める。
17: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:58:11.27 ID:EN9JwbNT0
ちなつ「えへへ……すみません、寝ちゃってて」
それからすぐに、ちなつちゃんは恥ずかしそうにはにかんで。
私は「ううん」と首を振りながらそっとちなつちゃんから目を逸らした。
18: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:58:45.07 ID:EN9JwbNT0
慌てたように立ち上がったちなつちゃんの手を掴んで、引きとめた。
見上げたちなつちゃんは、困惑したように私を見返してくる。
その視線を、今度ははっきり受け止めて私は言った。
結衣「私になにかしてほしいこととかある、かな」
19: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:59:21.00 ID:EN9JwbNT0
結衣「ちょっ、ちなつちゃん!?」
ちなつ「……そ、そんなのたくさんありすぎて」
あぁ、たくさんあるんじゃなくってその……!
20: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:00:38.56 ID:EN9JwbNT0
ちなつちゃんはじっと私を見たまま、固まってしまった。
言い方がまずかっただろうか、そう考えていると、ふいに再起動したちなつちゃんが
「そ、それじゃあ!」と。
結衣「うん、なに?」
21: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:01:23.13 ID:EN9JwbNT0
正直なことを言えば、いきなり呼び方を変えるなんてこと、照れ臭くって
しかたがない。
せっかく冷め始めていた熱がまたぶり返してくるのがわかった。
結衣「……」
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