過去ログ - 結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
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2: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:14:08.74 ID:EN9JwbNT0
いつもの放課後。
京子が先生に呼び出しを食らい、廊下で掃除をしているあかりともすれ違ったから
部室にはちなつちゃんしかいないはずだ。
急ぐ理由なんて無いけど、この季節、廊下はひどく冷えていて、
3: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:15:11.81 ID:EN9JwbNT0
◆
結衣「……」
バクバクと鳴っている心臓を落ち着けようと、私は大きく深呼吸した。
思わず戻ってきてしまった教室には誰もいない。
4: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:15:44.95 ID:EN9JwbNT0
京子「よし、そんじゃ行くか!」
けれどそんな様子は微塵も見せずに京子はそう言って私に寄って来た。
ちょっと待ってと言う暇もなく、京子が私の背を押して教室を出ようとする。
5: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:16:22.44 ID:EN9JwbNT0
京子「おーい」
結衣「ごめん、今日は」
そう言い掛けたとき、京子が「どうした?」と首を傾げた。
6: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:38:58.78 ID:EN9JwbNT0
京子「よ」
けれど、ここまで来てなお京子がドアに手をかけようとしたのをつい止めて
しまっていた。
7: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:39:55.71 ID:EN9JwbNT0
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―――――
その日はそれ以上なにも変わったことなんてなくって、いつものとおりの部活
(というかただの遊び)が始まって。ちなつちゃんも変わった様子はなく、けれど
8: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:43:44.93 ID:EN9JwbNT0
ぼんやりそんな声を聞きつつ、ぬるいお茶に口をつける。
今日は少し、いつもより苦い気がした。
それでもごくんとそれを身体に流し込むと、私はコップ越しにまた、ちなつちゃんの
横顔をじっと見詰めて。
9: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:46:31.34 ID:EN9JwbNT0
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帰り道。
後ろを歩く一年生組を気にしながら、私はこそっと京子に話しかけた。
10: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:48:42.66 ID:EN9JwbNT0
私はこの期に及んでも、京子に本当のことを言えなかった。
京子は「なんだよー」と突いてくるけれど、それ以上なにかを聞いて来ようとは
しなかった。無理矢理聞いてくるような奴じゃなくて良かったとこういうときになって
思う。
11: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:49:22.60 ID:EN9JwbNT0
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結衣「……んー」
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