90:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:57:34.80 ID:c4Axoe8J0
「てめえ……」
杏子は笑った。
「遅えんだよ……!元はと言えば、てめえがぐだぐだしてやがったからじゃねえか。おいしいとこだけ、持ってくつもりかよ……!」
91:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:59:02.31 ID:c4Axoe8J0
マミは、覚悟を決めてこの場所に来た。
例えどんな結果が待ち受けていようと、自分は魔女を倒すのだと。
92:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:59:46.72 ID:c4Axoe8J0
「初め彼女は……心の隙をつかれて、使い魔に魅入られたんだろう。だが彼女には、ふつうの少女にはない素質があったんだろうね。魔力を涵養する、器のようなものとしての素質とでも言うべき何かが。それに気づいた使い魔は、彼女を殺しもせず、餌にすることもせずに、その中に棲むことに決めたんだろう」
キュゥべえが話をする間、マミは表情一つ変えずに、目の前の「魔女」を見ていた。
「この2ヶ月、彼女の内側に隠れ潜んで、魔女は機会を伺っていたんだろうね。宿主の魂を内側から喰らい、さらにいくたりかの人間を手にかけた魔女は、膨大な魔力を蓄えて、ついに自らの結界を外の世界に展開した。それが―今僕たちがいる、この場所だよ」
93:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:01:03.59 ID:c4Axoe8J0
(あき……本当にあなたは、もうどこにもいないの?)
ゆっくりとマミは「魔女」へと―その少女へと近寄って行った。
94:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:01:37.01 ID:c4Axoe8J0
杏子が呟いたとき、マミは立ち止まった。
沈黙があたりを支配する。
(マミ……)
95:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:02:42.83 ID:c4Axoe8J0
マミのマスケット銃が火を噴くのと、地面から無数の刃が出現したのとはほぼ同時だった。
「……!」
96:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:03:23.34 ID:c4Axoe8J0
マミはその黒い瞳に向き合いながら、巨大な銃の照準を合わせた。
(もし、お互いが抱いた夢が逆だったなら……私たちは、幸せになれたのかしら)
銃口が魔力で強い光を放ち始める。
97:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:04:07.17 ID:c4Axoe8J0
銃口から放たれた凄まじい光が真っすぐに伸びていく。
光の先端が、まさに少女を飲み込もうとしたその時―
98:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:04:39.18 ID:c4Axoe8J0
キュゥべえの言葉が終わるか終わらないかのうちに、少女の背後の壁に光の亀裂が走った。
「!結界が……」
見る間にその光は広がり、あたりを包み込んでいく。
99:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:05:28.39 ID:c4Axoe8J0
そこはある晴れた日の、病院の屋上だった。
変わった点と言えば、過ぎ去った嵐の痕跡がところどころに残っていることと、そして―
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