167:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/31(土) 00:26:47.31 ID:VImMrTW10
一同が気を遣って耳を塞ぐまでもなく、再会は一瞬で終わった。
十秒もしないうちに、鮮やかなカード捌きで“受話器”がステイルへと投げ返された。
「……異常なほど手短に済んだようだが、いったい何を言われたんだい」
「……ひとまずは、学園都市に向かうことにする。今後の身の振り方を考えるにしても、
すべてはそれからだ」
“身の振り方”と聞いて、ステイルとインデックスは顔を見合わせた。
まるで進むべき道を決めかねているような言い草。
裏を返せばそれは、『生きる』という意志表示に他ならなかった。
「……ということは、ローマ正教に出頭するとかほざいていたのは」
「果然。偽善者ぶりたいわけではないと言ったであろう。『二千の殺人』というしこりが
取り除かれた今、誰が進んで死刑台になど上るか。私はそこまで感傷的なロマンチスト
ではない」
「いっそ、イギリス清教の庇護下に入っちまう、っつう選択肢もあるぜ?」
「そんなことをして、ローマとの外交問題に発展しないでしょうか……」
「んー、でもさぁ。前例ならいくらでもあるし、なんとかならねぇかな?」
当事者を置き去りにして土御門が、火織が、上条が次々に声を上げる。
オルソラにアニェーゼ部隊にエツァリたちアステカ出身者。
他勢力の鼻つまみ者を傘下に加えた経験が、イギリス清教はある種異常なまでに豊富だった。
422Res/296.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。