168:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:27:37.57 ID:VImMrTW10
インデックスにしても、『禁書目録』の犠牲者を掬いあげることに異存あるはずもない。
錆付いたように動いてくれない面を無理矢理上げて、インデックスはアウレオルスへの
贖罪を果たすべく声の震えを押し殺す。
169:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:28:40.21 ID:VImMrTW10
思わず押し黙る。
アウレオルスの冷徹な正論には、その縁の下に女への細かな心遣いが確かにあった。
いまのインデックスは、ステイルと他の男性を同じ秤にかける方法を知っている。
170:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:30:20.14 ID:VImMrTW10
そう、誰にも反論などあるはずがない。
ただ――――
171:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:31:08.07 ID:VImMrTW10
「欲しいものは欲しい、嫌なものは嫌だ。そんな簡単なことが言えずに散々苦しんだ
馬鹿な奴らを、お前だってついさっき見たんじゃないのか」
172:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:33:38.58 ID:VImMrTW10
「それだけか」
「あ、と…………あなたが、あいさに、その……手伝ってもらって、十年前、私を」
173:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:34:11.36 ID:VImMrTW10
教師。
教師と、生徒。
口の中でもごもごと二つの単語を咀嚼する。
174:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:35:50.44 ID:VImMrTW10
女はアウレオルスに視線を戻す。
理知的な緑髪の直下にある双眸は、少し目を離した隙に瞼の裏に隠れてしまっていた。
次にその瞳が女の視線とかち合うのは、自分が答えを返した後のことになるのだろうと
175:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:36:26.71 ID:VImMrTW10
ついさっき会得した“やり方”を、試してみることにした。
理屈も感情も景色の彼方に置き去りにして、本当に欲しいものを絞り出す“やり方”。
長く長く息を吐いた。
176:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:38:06.92 ID:VImMrTW10
「…………傑然。対価は確かに受け取った。先ほどはああ言ったが、もしかすると君なら
二つの『愛』を並立させるかもしれんな。そう思わせてくれるほどに」
177:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:39:21.92 ID:VImMrTW10
凍った笑顔が引き攣る。
空気を読まないお気楽な声が割り込んできた。
178:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:42:07.92 ID:VImMrTW10
ああ、つまりそれは。
『インデックスはステイルが死んだらもうダメ』『生きていけない』『死んでやる』
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