263:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:04:14.00 ID:TikXGamK0
>>259
申し訳ありません、それは板的に答えにくい質問です
みなさまお久しぶりでございますー
264:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:05:44.96 ID:TikXGamK0
上条美琴がその部屋の扉をくぐることが叶ったのは、実に渡英から一週間後のことだった。
三日ほど前、目の前の豪奢な大扉の向こう側を母国の皇家筋が訪ったと聞いた時には、
さしもの彼女もこれから面会する友人をやけに遠くに感じたものだ。
265:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:06:30.61 ID:TikXGamK0
「みこと、来てくれてありがとう」
266:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:07:06.13 ID:TikXGamK0
――勝者と敗者――
267:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:08:19.20 ID:TikXGamK0
御坂美琴にとってのIndex-Librorum-Prohibitorumは、憧れの女性像そのものだった。
もちろんそんなこっぱずかしい事実、口が裂けても本人の前でなど告白できない。
どころか夫にすら打ち明けたことのない、数少ない美琴のトップシークレットであった。
268:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:10:34.68 ID:TikXGamK0
そう、自負していた、はずだったのに。
敗者になるのは自分なのだと、とうに覚悟も決めていたのに。
269:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:11:56.14 ID:TikXGamK0
過去を顧みている間に、立場はいつの間にやら逆転していた。
気が付けば美琴は七月二十日と同様、頭をインデックスに抱きかかえられている。
後ろ髪を梳くか細い五指の感触は、ハープ弾きのような繊細さと優美さに溢れていた。
270:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:13:29.13 ID:TikXGamK0
美琴の勝利は世界のどこかで泣き濡れる幾千人の敗者の誕生を意味していた。
泣いた少女の中には美琴の大事な大事な『妹達』もいたはずだ。
そしてインデックスも、その一人になった。
271:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:14:44.15 ID:TikXGamK0
「……辛いことがあったら、誰かに相談するのよ? もう、溜めこんじゃダメよ?」
272:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:16:18.41 ID:TikXGamK0
図星を見事つついてやったようだった。
日本を発つ前夜深酒に付き合わされた、中学時代からの親友の顔を思い浮かべながら、
美琴はインデックスの胸に埋めた顔をようやく持ち上げ、いたずらっぽく笑う。
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