過去ログ - とある神父と禁書目録
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55:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:28:09.55 ID:l5SKq28Z0

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神はこと才能というものに関しては、まったくもって不公平かつ不平等である。
通信術式からようやく上がった、間延びした『反撃の狼煙』を確認してからステイルは
胸中密かに毒づいた。
失った左腕から激痛が昇って――――こない。
痛みにのたうちまわって戦闘不能になる前に、とっくのとうに神経は焼き切った。


『やれやれ、わずか一日分の借りが高くついたものだ。二週間も営業停止してこのために
 カードを配置させられた挙句、社員総出でも頭数が足りなかったから急遽能力者どもを』

「御託は後で聞く。何枚配置した?」

『…………ざっと、一千万といったところか。しかし本当に良いのか、凡人? 身の丈に
 合わぬ力は己を滅ぼすぞ』

「僕は死なない」

『………………はぁ、好きにしろ』


天才に凡人の惨めさというのは理解しがたいものだろう。
ステイルが十年かけて築いた『陣地』をはるかに上回るスケールで、たったの三年で構築した
フィアンマにしてもそうだし、危機的状況で『眠っていた真のパワー』とやらを理不尽にも
覚醒させたインデックスもまた然りだ。


「そんな」


相も変わらず理解不能の存在感を満身から放つ女神が、小さく呻くように洩らした。
ただ、その声音に込められた情動だけは、どうしてかステイルには理解できた。


「また、あなたは、そうやって、命を粗末に」




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