83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2012/01/08(日) 03:07:51.98 ID:stJi0ct8o
魔使♀「でも勘違いしないで。魔王は二の次なのよ」
勇者「えっ?」
魔使♀「私が魔法使いになった理由は、魔王を倒すためではないの」
勇者「えっ。それじゃあどうして……」
魔使♀「いいわ。教えてあげる」
魔使♀「いつでも妹に、美味しいケーキを食べさせてあげるためよ」
勇者「えっ!?」
魔使♀「当時の私は幼かったの。魔法使いなら、どんな魔法も叶えられると信じていたわ」
魔使♀「信じていたから、魔道の盛んなこの地、西方まで単身でやってきたのだけど。呆れたわ」
魔使♀「火炎、氷結、果ては爆発まで起こせるのに、ケーキを生み出す呪文はないのよ」
魔使♀「いつでも好きなときに、その場でケーキを出す呪文は、ないのよ」
魔使♀「だったら、自分で編み出すしかないわ。そうでしょう?」
勇者「……」
魔使♀「そして今に至るの」
魔使♀「これで私の身の上話は終わり。まだ誰にも話したことはないわ」
勇者「……どうして俺に?」
魔使♀「私なりのクリスマスプレゼントと、先払いよ」
勇者「先払い?」
魔使♀「いいこと。必ず魔王を葬りなさい。途中で倒れたら、許さないわ」
勇者「……ああ」
勇者「ありがとう。その約束だけは、必ず守るよ」
魔使♀「そう」
魔使♀「それならいいわ」
113Res/109.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。