1: ◆G/oQfYP4bzP0
2012/01/09(月) 18:55:21.82 ID:Ok5E0xZio
〜〜〜 
  
 学園都市。 
 それは、ブラックスポットと呼ばれていた日本最大の汚染区域に作られた超科学都市である。 
  
 そして、ブラックスポットと呼ばれたのももうおおよそ百年も前の話。 
  
 まだそこがBSと呼ばれていた頃、そこにはシメオンという製薬会社のビルが立っていた。 
 そして、そのシメオン製薬の総帥、アダム・アークライト。 
 彼こそがブラックスポットの支配者であった。 
  
 彼がここで何をしてなにをみたかったのか、それは今となっては謎である。 
 ただ一つ言えることは、彼の野望は途中で砕けた。 
 アレイスター・クロウリーの出現によって……。 
  
 「何者だ貴様」 
  
 右目を髪で隠し、鉄製のチョーカーを首につけた大男は尋ねる。 
 
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2: ◆G/oQfYP4bzP0[sage]
2012/01/09(月) 18:56:04.74 ID:Ok5E0xZio
 「……アレイスター・クロウリー……ここは……気にいった」 
  
 何もかもがうやむやでつかみどころのない男なのか女なのかもわからぬ存在は答える。 
  
 「うん、ここにしよう」 
3: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 18:58:18.05 ID:Ok5E0xZio
 「青い髪かぁ……んで僕は何番目なんや?」 
  
 目の細い長身の男が、一糸纏わぬ姿で研究員に尋ねる。 
  
 「十六番目かぁ……あ、じゃあピアス開けてくれへん?……何でってアダムの一番はA-Aでアークライトやろ?二番はA-Bでブレイド……やったら十六番はA-Pで青髪・ピアスや!……え?アダム?知らんがなそんなこと僕顔もろ日本人やし」 
4: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 18:58:40.98 ID:Ok5E0xZio
 かつての部下-敵-の名前を懐かしそうにつぶやく。 
 青髪ピアスにはアダム・アークライトとアダム・ブレイド両名の記憶が朧げながら残っていた。 
  
 「……炎神の息吹と第四波動はさっさと見つけたいもんやなぁ」 
  
5: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 18:59:18.08 ID:Ok5E0xZio
 〜〜〜 
  
 「カーミやーん!」 
  
 通学途中、目の前に見えたツンツン頭の不幸少年に飛びつく。 
6: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 18:59:48.54 ID:Ok5E0xZio
 くだらないことを話しているとすぐに学校についた。 
 机にカバンをおくと、今度は金髪サングラスの土御門元春を交え、三人で登校時同様くだらない話で笑ったり呆れたり朝のひと時を過ごした。 
  
 つまらない授業を聞き流しながら、目覚めた日のことを何度も繰り返し思い出す。 
  
7: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 19:01:30.27 ID:Ok5E0xZio
 〜〜〜 
  
 「はいはいお約束お約束」 
  
 佐天涙子は路地裏を逃げ回っていた。 
8: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 19:02:05.57 ID:Ok5E0xZio
 ――そっか、もう私は本当に不要者-ニードレス-なんだ……だから誰も助けてくれないんだ。 
  
 涙で視界が悪くなり、足元に転がっていた鉄パイプに躓いてしまった。 
  
 あう、と情けない声が漏れる。 
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