過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」
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2012/04/01(日) 02:14:47.10 ID:PwzajTw/0
「あの子に魔道図書館でもない、魔術も関係のないただの少女でいて欲しい……」
この男は何もわかっていない
どうしてわからないのだ。
「貴方があの子にそう望んだのでしたよね?」
怪訝そうに上条が眉を顰める。
何を今更と言いたげだ。確かに今更かもしれない。
上条はずっと少女を解放することを望んでいたから。
少女が魔道図書館としての使命感と矜持を持っていたからこそ声に出さなかっただけで、彼女が一言望めばすぐにでも乗り出していただろう。
それほど彼女にありのままの普通の少女である事を望みながら、神裂にはわからなかった。
どうしてわからないのだ。
考えようともしないのだ。
「あの子は貴方に望まれて…そしてあの子自身もそれに応えたいと望むようになった。だからこそのこの術式なんですよ。普通の女の子である為に……」
それがあの子にとってどれ程覚悟を必要とすることかを。
「どういうことだよ…それ」
噛みしめた歯が軋みを上げる。
少女が上条に話さなかった理由を確かめたわけではない。
そうせずとも彼女の気持ちがわかっていたから。
それでも尚、神裂は目の前の男に言わずにはいられなかった。
(すみません…インデックス…)
「あの子はね…成長できないんですよ。不思議には思いませんか?あの子が摂取したカロリーがどうしてあの子に反映されないのか?太らないどころではなく、成長すらまったくしていないあの子を不思議に思ったことはありませんか?」
数泊の間をおいて、上条の瞳が見開かれる。
心当たりがあるのだろう、そして何をしようとしているのか、その予想も付いたのだろう。
「時計の針を僅かに進めること、それがこの術の正体です」
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