過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」
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942:あたりまえの願い[saga]
2012/04/01(日) 02:15:36.90 ID:PwzajTw/0

神裂の拳が上条の頬に吸いこまれる。
上条の拳は腰まで伸びた神裂の髪を微かに揺らす。
ひしゃげた蛙のような呻き声を上げて砂利を滑るように上条が転がる。


「あの子は言っていました、貴方と一緒にいたい、共に生きたいと、!」


捌ききれなかった拳が頬を、腹を打ち抜いていく。
単純な腕力の差。動体視力の差。そして感情の発露の差。
全てが総合力となって上条の拳を鈍らせ、神裂の拳はまっすぐに突き刺さる。
ここに来て、上条は己が迷っている事を嫌という程意識する。


「だからって…禁術に手を出してまで…俺はアイツが」


上条とて譲れないものがある。
インデックと共に生きたいのは自分も同じなのだ。
血の交じった唾を吐き捨てる。
自分とインデックスの問題に知った風な言葉を吐く神裂への反発が言葉となる。



「俺はそんな事気にしねーよ!!俺はただアイツが側にいて笑ってくれればそれだけで構わないんだ!!こんな術にまで手を出して。

 どうしてお前等はそれを止めなかったんだよ!!アイツが世界を敵に回すかもしれないってわからないお前等じゃ…」


「うるせーんだよ!!」


神裂の頬にさっと朱が差した。
脊髄を駆け上った怒りが思考を素通りし、反射的に手に掛けた刀の柄が鳩尾に打ちこまれた。
崩れ落ちそうになる上条の胸倉を空いた手で掴み上げる。


「何でわからないんだよ!!笑ってくれればそれだけで構わない?変わらないことがあの子をどれだけ苦しめてるのか…普通の女の子の幸せに目を向けさせた貴方がどうして気付かないのですか!!」


抉られるような痛みを堪えながらそれでも上条は神裂の言葉へ意識を傾ける。


「好きな男の人と肩を並べたい。好きな男の人と愛し合いたい。好きな男の人の子を生みたい。そう女の子が望むだろうと、想像すらしてなかったのですか!」








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