2: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:06:54.55 ID:bIt6DJVy0
ゆるゆりSS
タイトル:綾乃「好き。」
3: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:09:08.12 ID:bIt6DJVy0
それに、今日はいつもの月曜日に比べて緊張している。
もうすぐ一緒に登校する友達がやってくる。
私を見た彼女は、どんな感想を持つだろう。
いつものように、にこやかな笑顔で「似合っとーよ」って言ってくれるかな。
4: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:10:15.44 ID:bIt6DJVy0
*
5: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:11:18.66 ID:bIt6DJVy0
それは、始業式が終わって通常の授業が始まった先週の事がきっかけだった。
その日の放課後、私が茶道室へ向かったのはいつものようにプリント提出を忘れた歳納京子を注意するためだった。
6: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:12:48.81 ID:bIt6DJVy0
それは畳の上に無造作に放り出されている雑誌だった。
普段なら自ずから開いて読むものではない、ファッション系の雑誌だった。
それでも手に取ってしまったのは、もしかしたら歳納京子が読んでるものかも…という不純な動機が少なからずあったせいだと思う。
7: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:13:39.28 ID:bIt6DJVy0
おしゃれとか、色恋ごととか、私はどちらかというと疎いほうだった。
とはいえ興味が無いのではなくて、たぶん引っ込み思案なだけである。
私が着ても似合わない、他人を好きになるって良くわからない。
歳納京子のことは・・・確かに、気になる存在だけど、それが「恋」ということなのかは、まだピンとこない。
8: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:15:11.77 ID:bIt6DJVy0
(歳納京子は、ファッションとか・・・こ、恋とか、興味あるのかしら?)
否が応にもそのような疑問で頭がぐるぐるしてしまう。
9: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:16:15.00 ID:bIt6DJVy0
うわずった声で、雑誌のとあるページを指差す私。
美容師さんは、微笑ましいといった表情で私の注文を聞いていたように思う。
いまでもそれは顔が赤くなるほど恥ずかしくなる思い出だ。
10: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:17:42.18 ID:bIt6DJVy0
*
11: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:18:43.52 ID:bIt6DJVy0
「ええ感じやないの、綾乃ちゃん」
「そ、そうかしら?」
12: ◆eZUHOxTppE
2012/01/15(日) 20:19:46.54 ID:bIt6DJVy0
ああ・・・。またやってしまった。
私は顔を赤くして、下を向く。
しかし千歳は事もあろうか、私の腕を取って「綾乃ちゃん、善は急げや!」などと言いながら走り出す始末だ。
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