262: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:28:53.72 ID:vwUxP9/A0
だけど、泣いても笑ってもたぶん今日が最後のチャンスやで、とは千歳の弁だ。
彼女の告白に対する私の答えは、千歳をひどく傷付けて悲しませるものだったに違いない。
それでも千歳は、私を応援する、と言ってくれた。
263: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:29:22.18 ID:vwUxP9/A0
「あー。綾乃?」
「・・・っ!?」
264: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:29:55.68 ID:vwUxP9/A0
船見さんが両手で差し出した紙包みには、何となく見覚えがあった。
赤と緑で装飾されたリボンと、モミの木やステッキなどのイラストを交えた少々子供っぽくも感じる包装紙。
「これって・・・もしかして」
265: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:30:27.76 ID:vwUxP9/A0
「ごめんね、ずっと言い出せなくて」
「いえ、私こそ・・・あの時は帰ってしまってごめんなさい、ありがとう」
266: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:31:39.15 ID:vwUxP9/A0
「あの・・・クリスマスの事なんだけどさ」
「クリスマス?」
267: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:32:13.70 ID:vwUxP9/A0
「少なくとも、京子が綾乃に電話した時点ではあいつ、そのつもりだったと思う」
「そう・・・なの?」
268: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:32:43.90 ID:vwUxP9/A0
「あいつね。ちっちゃい頃はすごく泣き虫で」
「ええ。そんな話を聞いた事があるわね」
269: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:33:16.64 ID:vwUxP9/A0
「あんまり言いたがらないから・・・それからだね、京子があまり泣かなくなったのって。もっと明るい子になって、あの世のおじいちゃんを笑わせてあげるんだって、良く言ってた」
「歳納京子・・・」
270: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:33:47.40 ID:vwUxP9/A0
「あはは・・・。えっと、でも、よろしくっていうのは本音だよ」
「ん・・・」
271: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:34:31.20 ID:vwUxP9/A0
船見さんは意味ありげに微笑むと、「ちょっとごめんね」と一言断ってからケータイを取り出した。
誰かにメールでも打っているのだろうか?
船見さんから聞いた歳納京子の身の上話は、さすがに幼なじみだけあって、真に迫るものがあった。
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