284: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 01:56:11.25 ID:0pJSZQGw0
半ば強制的に、その生徒は何かのプリントを私に託すと、どこかへ駆けて行ってしまった。
茶色の長い髪をなびかせて走るその生徒の事は、もちろん知らなかった。
おそらく他のクラス、あるいは上級生かもしれない。
285: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 01:57:14.57 ID:0pJSZQGw0
再び声を掛けられて、振り返ると、何となく見覚えのあるクラスメイトがそこに居た。
『うち、池田千歳いいますぅ。杉浦さんと同じ組やねんで』
286: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 01:58:11.10 ID:0pJSZQGw0
▼
287: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 01:59:19.18 ID:0pJSZQGw0
(船見さんに、ここまで仕組まれちゃったら、仕方ないわよね・・・)
ただ、少しおかしな点もないわけではない。
あの、千歳のメールは何だったのか。
288: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:01:09.23 ID:0pJSZQGw0
「歳納京子。これを、受け取って」
「おお。何なに?」
289: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:02:11.99 ID:0pJSZQGw0
あぁ・・・これではいつも通りだ。
ここからもう一歩、先に踏み出すにはどうすれば・・・
(そもそもどうやって、私の想いを伝えれば・・・)
290: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:03:09.06 ID:0pJSZQGw0
でも、言わなきゃ伝わらない。
『あいつには、直接言ってあげないと絶対に気付かないんだから』
291: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:04:12.41 ID:0pJSZQGw0
「そ、その・・・たまたま、雑貨のお店で見かけて、可愛いなって思ったから。そう。それだけなんだから!」
「わぁ・・・リボンだぁ!」
292: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:06:32.48 ID:0pJSZQGw0
今更だけれど、怖い、と思った。
想いを受け入れてもらえない怖さはもちろんのこと、真剣な言葉がいつもの調子で“友達として”伝わってしまうのではないかという雰囲気すら感じてしまう。
言葉を口にしても、真意が伝わるとは限らないから。
293: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:07:19.59 ID:0pJSZQGw0
「綾乃? どうしたの? 何か言ってよ〜」
「か・・・」
294: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/19(木) 02:09:13.95 ID:0pJSZQGw0
ーーーガタンッ!
「う・・・」
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