過去ログ - 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5
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323:れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc[saga]
2012/04/01(日) 01:46:38.23 ID:5ErbohVa0
 今日は年に一度の久代祭の日。久代祭というのはこの村、いや島の伝統行事である。もちろん、祭の代名詞である神輿を担いでいる声はあちこちで聞こえ、たこ焼きやお好み焼き、射的などの出店も数えきれないほどある。だが久代祭のメインは神輿でも屋台でもない。
 この島の祭の特異な点、それは天狗の仮面を被った大人が、飴を持って島中を徘徊すること。
 天狗はたくさんの飴を持っていて、子供とすれ違う度に飴を渡してくる。だから子供が集まっている所というのは、大抵その中心に天狗がいる。落としたアイスに群がる蟻の図、を見ているようで端から見ると気持ち悪いかもしれない。
 飴は無駄に自家製で、その年の天狗を任された人によって味が変わるのがポイントだ。
 天狗は全部で五人。
 つまりは毎年五種類の飴が存在することになるのだが、過去に海葡萄味の飴を作った人物がいて、それ以来誰か一人がハズレの飴を作るのが伝統になってしまった、という忌むべき負の遺産がある。
 それでも少年達、小学生からしたら楽しい行事に過ぎない。クラスのみんなと、久代川のとこにいた天狗はレモン味だった。とか、ミカン味の飴を持っている天狗は学校の校庭で寝てる。とか、情報交換をしながら全部の飴を制覇するのだ。
 まるで宝探しの冒険をしているようで、子供達は毎年祭を楽しめていたのだろう。
 中には飴を強奪することに生き甲斐を感じているやんちゃなグループも存在するらしいが。


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