過去ログ - 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5
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327:れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc[saga]
2012/04/01(日) 01:53:43.04 ID:5ErbohVa0
 「違うよ。天狗じゃない、あの島に行こうと思うんだ」

 少年が指差す先にあるものは、島。海を挟んで数百メートルの所に、小さな島があった。
 渡行禁止の島、離れ島、ちいじま。
 呼び名は色々あるが、正式な名称を知る者は少ない。

 「え、離れ島に行くの?だ、駄目だよ。あそこには行っちゃいけないってお母さんが……。大体どうやって行くの?あんな所までなんて泳げないよ」

 それに今日は祭を見て回るって……。
 少女の最後の言葉は消え入るような小さなものだった。
 しかし少年はそんな少女の気持ちを意に介さず、
 
 「え、りっちゃん知らないの?今日は離れ島に歩いて行ける日なんだよ!!」
 
 「……え?それってあの……」

 年に一度、丁度お祭りの日、数時間だけ久代島と離れ島を結ぶ道が現れる。
 そこにオカルトは無い。ただ単に干潮により海に道が出来る、今では科学的に理由を説明することが出来る。
 だが島の老人達からすれば、はいそうですかで済ませられるものではないのだろう。神隠しの多いこの島で、誘うかのように忽然と現れる道。恐怖を感じないほうが無理というものだ。
 あの島に歩いて行ってはならない。
 そう頑なに島の人間は信じている。


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