108:にゃんこ[saga]
2012/02/11(土) 19:22:17.62 ID:5i+gli3V0
だけど、澪は自分から挨拶してくれた。
澪の性格じゃ相当に難しい事だったはずなのに、
いつもあいつを引っ張ってるはずの私よりも先に声を掛けてくれたんだ。
胸の中が一気に満たされる気がして、逆に息苦しくなる。
嫌な気分じゃない。
でも、何だか胸が詰まり過ぎてて、
口を開けばふとした拍子に泣き出してしまいそうだった。
でも、そんなんじゃ駄目だ。
澪が挨拶してくれたんだ。
私だって澪に自分の言葉を届けなきゃ、文字通りお話にならない。
一度深呼吸をしてから、私はゆっくり口を開いた。
「おはよう、澪。
おうよ! 梓とちょっと校庭を散歩しへはんだぜ!」
……私も噛んでしまった。
やっぱり、まだ緊張しちゃってるのかもしれない。
一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
折角の澪との挨拶なのに、上手く出来ない自分の間抜けさが情けない……。
「あははっ、
澪ちゃんもりっちゃんも噛んじゃってるー!」
唯が急に私達の方を指差して笑い出した。
唯も緊張してなかったわけじゃないんだろうけど、
思いがけない私達の間抜けなやりとりについ笑っちゃったんだろう。
笑っちゃいけないって思ってると、笑いの沸点って一気に下がっちゃうからなあ……。
相変わらず空気が読めてない奴だ。
でも、ある意味、空気が読めている……のかな?
ここは笑っちゃっていい所のはずだ。
周りを見回してみると、ムギと澪は笑いを堪えていて、
残った和達は笑っていいものか複雑な表情を浮かべてるみたいだった。
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