409:にゃんこ[saga]
2012/05/09(水) 19:44:33.78 ID:OawZK8Yu0
「卒業旅行の時は時間が全然足りないって思ったもんだけど、
流石に一週間も回ってると、回る所も無くなってくるよなー……」
自転車に乗って、隣を走る澪に声を掛けてみる。
澪は少し苦笑して応じてくれた。
「そうだな、もう回り切ったって感じだよ。
それも仕方無いとは思うけどさ。
観光してるわけじゃないし、回るのはデパートやスーパーばっかりだし。
しかも、交通手段が自転車しかないから、回れる所も限られてくるからな……」
「交通手段が自転車だけってのは痛いよなー……。
……いっそ、誰かの自動車を借りてみるか?」
「む、無理無理無理!
大体、誰が運転するんだよ!
誰も運転免許なんか持ってないだろっ!」
「いやいや、ムギは結構、運転出来るみたいだぞ?
教習所には通ってないみたいだけどさ、
執事の人に少しずつ教えてもらってるらしい。
私達とさ……、車で遠出するのが夢だって言ってた。
楽しそうだよな、車の遠出……」
「いや、確かに楽しそうだし、ムギの夢は叶えてやりたいけど……」
「それに私の運転だってかなりの腕前だぜ?
おまえだって私のレースゲームの腕、知ってるだろ?」
「甲羅投げたり、ジャンプしたりするレースゲームと現実の運転を一緒にするなっ!」
「ごめん、冗談だよ、冗談」
自転車に乗りながらでも澪の拳骨が飛んで来そうだったから、先に謝っておいた。
こいつ……、どんな所でも反射的に私を殴って来るからなあ……。
それこそ吊り橋の上でも殴って来た事あるぞ、こいつ……。
まあ、その時、悪かったのは、
吊り橋の上で怖がる澪をからかった私だったわけだけどさ。
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