428:にゃんこ[saga]
2012/05/13(日) 17:51:37.26 ID:To/8p/je0
心配?
私は皆に心配掛けちゃってるのか……?
私が皆を心配したいのに、逆に私の方が……?
やっぱり、私は皆の足手纏いなんだろうか……。
だけど……。
「でも」、と私は澪に言った。
「でも、私、思うんだよ……。
もっと早く唯の様子に気付いてやればよかったって。
私は自分の事ばかり考えてたから、唯の体調の変化に気付けなかったんだ……。
唯が憂ちゃんみたいな髪型をし始めた日からじゃなくて、
もっとずっと前から、唯を気に掛けてやればよかったんだ。
気に掛けたかったんだ……。
そうすれば、唯はこんな事には……」
「それは……、律の責任じゃないだろ?
唯の異変に気付けなかったのは、私達も同じなんだから……。
特に憂ちゃんの髪型を真似した次の日から、唯の様子は特におかしかったらしい。
梓に聞いたんだけど、唯は体調を崩す前、
ずっとホテルの周りを徘徊してたらしいんだ。
梓達と一緒に家事をしてる時でも、
気が付けば姿を消して、ホテルの周りを徘徊してたらしい。
何度注意しても、それだけはやめてくれなかったみたいだ。
もしかしたら、私達が寝てる時にも、部屋を抜け出してたのかもしれない」
それは知らなかった。
私はやっぱり唯の事について、何も知らない。
過去を捨てて、皆の未来を守ろうって決心した後でさえ……。
「何だよ、それ……」
それは唯に向けた言葉じゃない。
自分に向けた言葉だ。何も出来ず、何も知らなかった自分に対する言葉だった。
でも、澪はそれを唯に向けた言葉だって思ったのか、
少し目を伏せて、辛そうに言葉をこぼすみたいに続けた。
「そんな風に言わないでやってくれ、律……。
唯だって精一杯なんだ。
精一杯、この世界で何が出来るか探してるんだよ。
勿論、私達だって……」
「いや、今のは……、唯に言ったんじゃなくて……」
「それでも、だよ。
律、最近、無理し過ぎだよ……。
ううん、最近じゃないな。
ずっと……、この世界から生き物が消える前からずっと……。
律はずっと皆のために頑張ってくれてるって、皆分かってるから……。
だからね……、そんなに自分を追い詰めないで……」
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