過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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429:にゃんこ[saga]
2012/05/13(日) 17:53:23.97 ID:To/8p/je0
頑張ってるのを、皆が分かってくれてる……?
嬉しいけど、分かってくれてても、それだけじゃ駄目なんだよ、澪……。
皆の役に立てなきゃ、駄目なんだ。怖いんだ。
何より、自分自身がそんな自分を許せないんだ……。

勿論、それを声に出しては言わなかった。
言っちゃいけない。
そんな私の想いまで、澪に押し付けちゃいけない。
そういう事は、自分の中で抱えてなくちゃいけないんだ……。

それにしても、唯は本当に何をしていたんだろうか。
夜に部屋を抜け出してたかもしれないって、そんなんじゃ体調崩して当然じゃないか。
唯だって必死なんだろうけど、
憂ちゃん達が大切なんだろうけど、それで自分の体調を崩してちゃ本末転倒ってやつだ。
責めるわけじゃないけど、少しは自分の身も案じてほしかった。
憂ちゃん達と同じくらい、唯の事を大切に思う人間も沢山居るんだから……。
だから……、元気になってくれ、唯……。
元気になったら、思う存分叱ってやるから、だから……!
おまえが元気になるためだったら、何でもしてやるから……!


「ん……、あ……」


急に呻き声が聞こえる。
澪と一緒に視線を向けると、やっぱり呻き声を上げたのは唯だった。
目を薄く開いて、私達の方に顔を向けている。


「お……はよー……。
りっ……ちゃん、澪ちゃん……」


途切れ途切れな言葉を出しながらも、唯は軽く微笑む。
こんな身体で……、それでも、唯は笑う。
唯って奴は本当に……。
私はつい泣きそうになってしまう自分に気付きながら、小さく唯に囁いた。


「おはよう、唯。
まだ熱が下がってないんだから寝てろって。
でも、何かしてほしい事があったらすぐ言えよ。
出来る限りのお願いは聞いてやるからさ」


「あは……っ、ありがと……。
じゃあ……、おでこに……、手置いてくれる……?
りっちゃんの手……、冷たくて気持ちいい……んだよね……」


「お安い御用だ」


言ってから、私は唯の額に手を置いた。
相変わらず……、物凄く熱い。
唯は……、こんな熱に苦しんでるのか……。
今だって相当辛いに違いない。
でも、唯は変わらない笑顔で言ってくれた。


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