過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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45:にゃんこ[saga]
2012/01/24(火) 19:44:54.01 ID:d2TFKSm50
和がとぼけた様に微笑み、私も合わせて苦笑した。
和の言葉が古かったからってだけじゃなく、お互いに感じ始めてきたからだと思う。
結局、こんな推論に不安がる理由は無いって事に。


「何かさ、不毛って気がしてきた」


私はつい口にしてしまう。
気を悪くするかと思ったけど、和は微笑んだままで私の言葉に頷いてくれた。


「やっぱり情報が足りなさ過ぎるわよね。
情報不足でいくら推論を組み立てたって、真相に辿り着けるはずも無いわ。
昨日、律が資料を集めてきてくれなかったかしら?」


「すみません、真鍋生徒会長」


「それは冗談としても、とにかく推論は推論のままにしておくべきでしょうね。
可能性を論じる事は無駄じゃないけど、それに囚われ過ぎるのは無駄だと思う。
それに今はこの状況の原因より、これからどうするかの方が大切よ」


和らしからぬ発言だと思った。
何でも原因を確かめてから、その後に対策を立てるのが和の性格だと思ってたからだ。
首を傾げながら私がそれを訊ねると、和はまた軽く笑った。


「時と場合によるわよ。
情報が足りないわけだし、何にせよ、今はこの状況に適応するのが第一よ。
いずれは真相を明らかにしたくはあるけど、
真相を知った所でどうしようもない事もあるじゃない。
この状況に適応出来てない内にそんな真相に辿り着いてしまったら、
少なくとも私も冷静でいられる自信は全く無いわ」


「恐い事をさらりと言うよな、和も。
勿論、考えておかなきゃいけない事だと思うんだけどさ……。
でも、知った所でどうしようもない真相ってのは、例えばどんなのなんだ?」


「勿論、これも可能性なんだけど、こういうのはどうかしら?
私達はもう死んでいて、この世界は三途の川みたいな世界。
この世界は生前の罪や穢れや煩悩なんかを洗い流すための禊ぎの空間なのよ。
この世界での生活が何らかの形で終わった時、
私達は一つの生をやっと終えて、新しい輪廻の円環に至る……とか」


「うわっ……。
そりゃ確かに縁起でもないし、どうしようもないな……」


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