638:にゃんこ[saga]
2012/06/30(土) 17:56:49.57 ID:zmR1v/Ro0
「さっきまた風が吹いたよな?
すぐってわけじゃないと思うけど、また近い内に吹くんじゃないかなって思う。
多分、それは唯の無意識の責任とかじゃなくて、唯の目覚めが近いからじゃないかって思うんだ。
私だけかもしれないけど、目が覚める直前の夢は場面転換が多い気がするんだよな。
いや、これは個人的な意見だから、どうでもいいんだけどな。
とにかく、多分、これから凄い頻度であの風が吹くだろうって思う。
今回は運が良かったけど、これから先にまた運良く皆一緒に居られるとは限らないだろ?
これからは皆が離れ離れになっちゃう可能性の方が物凄く高いんだ。
だから、皆が離れ離れになっちゃった時の事を話しておきたいんだよ」
「離れ離れになった時……ですか……?」
そう言って、梓の肩が少し震える。
その時の事を想像しちゃったんだろう。
怖がるのは当たり前だし、私だって凄く怖い。
でも、私は言うんだ。
皆の事が大切だし、私は何だかんだ言ったって部長だから。
「皆が離れ離れになった時、皆が皆好き勝手に動くわけにはいかないだろ?
入れ違いで二重遭難なんかになっちゃったら、笑い話にもならないよ。
だから、離れ離れになった時、皆が誰を捜すか決めておこうって思うんだよ。
ちなみに部長権限で悪いけど、それぞれの組み合わせはもう決めさせてもらってるぞ。
もしこの五人があの風で離れ離れにさせられた時、
唯と梓、澪とムギの組み合わせでそれぞれの相方を捜してほしい。
もしもそのどちらかの組み合わせの相方が見つかった時は、
次は梓、ムギを優先で捜してくれればいい。
これなら二重遭難にはならないはずだよ」
「あの、律先輩……」
「どうしたんだ、梓?」
「律先輩は……、どうするんですか……?
どっちの……、組み合わせにも入ってないじゃないですか……!」
梓が心配そうな視線を私に向けて言ってくれた。
本気で私の事を心配してくれてるんだろう。
「梓、律は……」
澪が私の代わりに泣き出しそうな梓に私の考えを伝えてくれようとする。
でも、私はその澪の言葉を手で制止した。
これは私が言わなきゃいけない事だ。
澪は傍で私を見守ってくれてる。それだけで十分なんだ。
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