71:にゃんこ[saga]
2012/01/31(火) 18:44:49.71 ID:Z8DHpmFV0
「心配すんなって、梓」
安心出来たせいか、自分でも驚くくらい優しい声が出ていた。
本当は梓以上に私が不安がってたのかもしれない。
「オカルト研の中に変な物があっても護ってやるって。
元部長は現部長よりも強いってのがお約束だ。
りっちゃん部長に任せろ!」
私がそう言って梓の頭を撫でると、
妙に冷静な言葉を淡々と返してくれやがった。
「お言葉は嬉しいんですけど、律先輩……。
それ、映画だと真っ先に死んじゃう人の台詞ですよ」
「中野ー!」
ちょっと大声を出して、私は中野の後ろに回ってチョークスリーパーを極める。
中野め、ホラー映画に通なせいか、
死亡フラグにも精通してるようじゃないか、この生意気な中野め。
でも、その言葉が生意気なだけじゃないってのも、私は知っていた。
チョークを極められながら、中……梓は嬉しそうに、楽しそうに笑ってる。
考えてみれば、梓とこんなに身体を密着させるのも久し振りだ。
何故か気持ちがとても落ち着く。
もしかしたら、梓も私と久し振りにくっ付きたくて生意気を言ったのかもしれない。
本当はすぐに梓から身体を離して、純ちゃんの話を聞くべきだったんだろう。
でも、それはすぐには出来なかった。
私と梓、二人ともがお互いの身体を離したくなかったんだ。
どうしようもないくらい。
梓と身体を密着させながら、気付く。
恐がったり、不安になったりした時、澪がよく私に抱き着いて来る理由を。
やっぱり、人肌の温もりは心を落ち着かせてくれるんだ。
だから、澪はよく私に抱き着いて来るんだろう。
それが私にとって、澪にとって、梓にとって、
いい事か悪い事かは分からないけどな……。
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