過去ログ - 妹の手を握るまで(その2)
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/28(土) 23:14:03.61 ID:OgGbePyto

あたしはお兄ちゃんに愛されることを望んで、その願いはかなえられた。あたしにとって完璧な形で。
でも愛されるということ、付き合うということはもっと生々しい側面を含んでいる。あたしはあまりそのことを考えようとはしなかった。
あたしは十分に自分をお兄ちゃんに捧げているつもりだった。裸の肌に自由に触れることまで許していたのだし。

でも。
本当に付き合うということ。本当に愛し合うということの前にはそれは単なるままごとに過ぎなかったのだろう。
お兄ちゃんの言うことは正しかった。あたしがお兄ちゃんと結ばれるということの意味。お兄ちゃんの言うように最後までセックスまでしたいというのは男の人の、女の子の彼氏としての正常な欲求なのだろう。
もちろんあたしは求められればお兄ちゃんにそのことを許す覚悟は十分にあった。

・・・・・・でもその前にあたしには整理しなければいけないことがあったのだ。

「お兄ちゃん」
あたしはそっと言った。

「お兄ちゃんの顔、何か怖い」
そんなことを言いたいのではなかったけど。

「ああ、ごめんな。緊張しているせいだ」

「・・・・・・・裸で廊下にいると寒い。あたしの部屋、暖房つけたから、とにかくあたしの部屋に入って」

「うん」
お兄ちゃんはようやくあたしの部屋に入ってきてくれた。

「・・・・・・エアコンついててもこの格好だとまだ寒いかな」

「あ、そうだ。ベッドに入って毛布にくるまればいいんだ」
あたしは乱れる思考をまとめる間、どうでもいいことをお兄ちゃんに話しかけ、お兄ちゃんはとりあえずあたしに話をあわせてくれた。

「・・・・・・普通に服着ればいいんじゃないか?」

「それはそうだけど・・・・・・。何かつまんないし」

「な、何が?」

「何でもない。お兄ちゃん?」
あたしは決心を固めて言った。

「うん」

「・・・・・・あたしもね、お兄ちゃんのこと好きだよ」

「うん」
お兄ちゃんはあまり納得していないようだった。

「お兄ちゃんのこと彼氏より好きって言ったよね」

「・・・・・・うん」

「それにあたしがお兄ちゃんに身体触られるのを嫌がってないんだから」

「・・・・・・」

「それだけじゃだめなの?」
つまらない言い訳。つまらない時間稼ぎ。

「お兄ちゃん?」

「・・・・・・おまえさ」
お兄ちゃんはあたしの目を真っ直ぐに見て静かに言った。

「うん」

「全然俺の質問に答えてねえじゃん」

「そうかな」
そのとおりだった。

「そうだよ! 俺のことどういう意味で好きなのかって聞いてるんだよ」
突然お兄ちゃんは声を荒げた。

「だから、彼より好きだって」
あたしは狼狽しながらようやくそう言った。


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