12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:38:37.61 ID:7mExSTOs0
 唐突に一夏がまじめな顔になる。続いて一夏の口からは予想通りというか、よく覚えていたと言うべきか、 
 言葉が続いた。 
  
 「シャルは、卒業後どうなるんだ。いまのところ」 
  
 心臓がぎゅっと縮まる思いがした。いや、実際に縮まったのだろう。一瞬気が遠くなっていったのがよくわかった。 
 シャルは、すぐさま返答ができなかった。正直、答えが出ていない。なにもしなければ、おそらくデュノア社に 
 帰ることになるが、フランス代表になり損ねた今の自分はデュノアにとって価値のない存在だ。 
 経営危機から立ち直ったはいいが、余計な人材を養うほどの体力は残っていない。それに、父の命令に背いた件の 
 処分は、IS学園特記事項が幸いし保留となっており、それが卒業することで効力を失えば、良くて 
 牢屋往きの状況は、あのときのままとさして変わらなかった。シャルの顔から血の気が引いていくのが 
 一夏にも判ったのか、悪いと一言断ると一夏は沸かしていたポットからお茶を入れ始めた。 
  
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