153:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:14:31.81 ID:vAi26PND0
「あ……」
目が合った。
入ってきたのは、姫巫女候補の少女達だった。四人いる。カランよりも年上で、二十代の娘達だ。いわゆる『背水』の子供達だった。
――この姫巫女の室には、二十二歳より上の娘は、監査官以外一人もいない。
そう、一人もいない。
彼女達はカランを見ると、少しだけ驚いた顔をし、そして周りと顔を見合わせた。
少しして全員が含み笑いをしながら、座り込んでいる彼女にまるで気づかない風を装って、その周りのバスケットに自分達の衣服を放り込み始める。
鈍いカランでさえも、この娘達は好きではなかった。会う度に、何らかの嫌がらせをしてくるのだ。
集団で。
しかも、肉体的の。
先日異常な羽生やしの儀式を行ったために、表面上は気持ちが浮ついて元気を装っていたにしても、カランの体力は殆ど残っていなかった。足腰になど力が入らない。腰が抜けてしまってどうしようもない。
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