17:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:19:39.91 ID:A45p+aH70
それは……地平線の果てまでどこまでも続く黒蟲の洪水だった。地面がどこまでも……どこまでもそのおぞましい昆虫に埋め尽くされている。
それが、まるで降りに放り込まれた餌に群がるように愛寡に向かって雪崩を為して押し寄せてきているのだ。
怖さも、何もなかった。
体の皮を蟲の鉤爪のような口で食い破られながら、愛寡はただ、ぼんやりと足元……先ほどまで首を絞めていた彼がいた場所に向けていた。蟲……蟲。どこまでも蠢くそれに覆い隠されて、もはや見えない。
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