過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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260:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:00:53.02 ID:z5UY+Nzb0
9 見るな

 朝までずっと、カランはゼマルディの手を握っていた。彼の手は数時間前とは打って変わって氷のように冷たかった。最初は座ったまま眠り込んでしまったそれを、ベッドに座り込んだまま握っていたのだが。
やがてカランは床にペタリと腰を下ろし、毛布をベッドから引き摺り下ろすとゼマルディの体に寄り添うようにして、自分と彼の体にそっとかけた。
レモンの匂いに混じって、強烈な血の匂いがした。それに混じって、どこか土臭い……何だか水揚げされた魚のような匂いもしている。
むき出しになっていたゼマルディの左腕……その上腕部分に、べっ甲のように半透明に光っている、深緑の鱗が見えた。
初めて見る。
これが、男の人の腕……体……。


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