過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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267:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:05:21.25 ID:z5UY+Nzb0
途中で彼が起きてしまうのではないかと何度もひやひやしたが、そもそも顔面の感覚がないらしい。あらかた顔の傷に布を貼ってから疲れきって肩で息をし、霧吹きを取ってまた彼の顔に少し水を吹きかける。そしてカランは、おぼつかない手つきでぐるぐると包帯を捲きなおした。
ここに至るまでで既に三時間以上の時間が経過していた。ゼマルディは、死んだように背中を丸めて座ったまま寝息を立てている。
体が冷え切っているのを感じて、カランは肩を抱いて小さく震えた。
そういえば自分も、もう動けないほど疲弊していた。そこで思い出し……しかしゼマルディの腕にも布を貼らなきゃ……と思って腰を浮かせかけるが自分の足に突っかかって転がってしまう。
盛大に頭を床にぶつけかけ……しかしそこで、隣のゼマルディがサッと左手を伸ばして彼女の体を自分の方に引き寄せた。
膝の上に抱きかかえられる形になり、カランは膿で口の周りをベトベトにした情けない顔で彼のことを見上げた。


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