276:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/12(日) 20:09:50.89 ID:z5UY+Nzb0
「いっぱいいるよ。何だ? 知らんかったのか」
「知らないも何も……私にはあなたの言ってることが何だかよく分からないよ」
しばらくゼマルディは、困ったようにポリポリと自分の無事な方の頬を指先で掻いていた。そして固まった皮をペリペリと剥がし、それを脇に投げてからおもむろにカランの手を掴んだ。
「まぁ、見た方が早いな。そろそろ俺のマーキングも消える頃だし、その距離を跳ぶには結構な体力が必要なんだ。それに……」
「それに?」
「別のところに逃げてる暇は、多分ない。ルケンがもうじきここに来る。だから力を溜めてた」
「え……え?」
想像だにしていなかったのか、カランは飛び跳ねるようにして立ち上がった。そしてゼマルディの体にすがりつく。
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