過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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35:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:34:22.60 ID:A45p+aH70
告げられた音声にきょとんとして愛寡が弟子の顔を覗きこむ。爪はIDカードを抜き取ると、それを指の間でくるくると回してニヤ、と笑った。

「便利」

一単語を口にして、師匠の手を引く。横に並ぶと、愛寡の背丈はひょろ長い爪の三分の二程しかなかった。極端な猫背になっているために、同じくらいに見えるのだ。
義足がエレベーターの出入り口に引っかかり、細い大魔法使いがよろめく。それを片手で支え、爪は慣れた手つきでボタンを操作した。ドアがしまり、個室が下降を始める。
首の球をカリカリと指先で掻いている弟子を見て、愛寡はその手をそっと押さえた。

「触らない」

爪が掻いていたのは、白い核の方だった。一瞬肩を竦めかけたが、従順に彼はコクリと頷いた。愛寡はそれを確認し、大きく息をついてこめかみを押さえた。そしてエレベーターの壁に寄りかかる。


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