368:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/15(水) 20:07:14.51 ID:EmuY6hvN0
比較的几帳面な性格のゼマルディにより整頓されていた部屋は、今や戦時中のような様相を呈していた。タンスやテレビなどの家具は滅茶苦茶に壁に叩きつけられ、ひしゃげてしまっている。
その中で、ベッドから少し離れた位置のカーペットの上でゼマルディはうずくまっていた。マントの下の体をブルブルと震わせ、マスクごしに顔を覆っている。
「マルディ、おい!」
蒼くなって彼の体に手を置こうとしたドクの耳に、奇妙な『音』が飛び込んできた。
最初は水道管が震えているのかと思った。もしくはヒーターのファンが回る音かとも思った。
いや、違う。
声だ。
唸り声。
これは、他ならぬ目の前の大男が。
うずくまっている彼が、喉を猛獣のように震わせながら唸っている声に他ならなかった。
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