425:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:22:48.30 ID:JYEl3aKe0
靴を脱いで、小川に足をつける。
ひんやりとした冷たい水が体中に浸透したような感じだった。思わず肩をすくめ、苦笑いしてからカランに歩み寄る。
そこで妻は、足元の小石に躓いてぐらりと前のめりに倒れこんだ。慌ててそれを押さえようとして……もつれこみ、一緒に水の中に尻餅をつく。
膝に小さな彼女を乗せるような形で、ゼマルディはしばらく呆然としていた。少ししてカランが小さく噴き出し、そして水の中で硬直しているゼマルディの体に向き直り、そして抱きついてくる。
青年はしばらく戸惑っていたが、やがてそっと彼女の後頭部に手を当て、ゆっくりと撫でた。
「私達、結婚してどれくらい経つっけ?」
そっと彼女が囁く。
ゼマルディは、答えなかった。
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