457:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:39:30.97 ID:JYEl3aKe0
「ど……」
「…………」
「ど、なた……ですか………………みえない…………」
458:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:40:00.76 ID:JYEl3aKe0
「お、ねがいが……あります…………」
「…………」
「わたしの、夫が…………このあたりに」
459:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:40:29.06 ID:JYEl3aKe0
「…………」
「に、げ、て……」
「……」
460:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:40:54.43 ID:JYEl3aKe0
――――――死んだ?
死んだのか――――――?
死んだ……?
461:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:41:21.67 ID:JYEl3aKe0
シンダ?
シンダ……?
…………………………
462:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:41:51.74 ID:JYEl3aKe0
唸っていた。
泣きながら、震えながら彼は唸っていた。ガチガチガチガチと歯が鳴った。
その目が、まるで映画の中のワンシーンのように。腰を抑えながら立ち上がった赤髪の女を、スローモーション再生のごとくゆっくりとした映像で映し出す。
本能的に動いた瞬間、腰のベルトに指していた……何かが音を立てて地面に落ちた。
それは、ルケンの肉切り包丁だった。
463:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:42:17.56 ID:JYEl3aKe0
噛み締めた歯が何本も砕け散る感触と、肉と骨を断ち切る刃の感触。
スローモーションの夢の中で、女は断ち切られた自分の足を唖然と見つめ……そしてその場にゆっくりと崩れ落ちた。
それは、カランが切られた足と同じ場所だった。
地面に転がったゼマルディの目には、白目など既に何処にもなかった。眼球それ自体が真っ赤に染まり、さながら野獣のような様相を呈していた。
彼は、転がって目を丸くしてこちらを見ている、赤い髪の女に対して。
464:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:43:58.46 ID:JYEl3aKe0
お疲れ様でした。次回の投稿に続かせていただきます。
黒い一族編はここで一旦終了いたしまして、これからは三年後のお話になります。
まだまだお話は続いていきます。お付き合いいただければ幸いです。
465:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 00:43:28.03 ID:rIc6JsyG0
第二章のWikiをまとめていただいていました!
ss.vip2ch.com
ありがとうございます!!
466:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:49:43.84 ID:rIc6JsyG0
こんばんは。
今回から第二章の、黒い一族編の三年後からのお話になります。
第2話に戻りまして、お話が進行していきます。
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